インタビュー記事

「今の自分が一番好き」と言える人生の見つけ方。美姿勢は、輝きを取り戻すための最初の扉

SNS総フォロワーは10万人を超え、テレビ東京『なないろ日和』への出演や書籍『美姿勢プログラム』の出版など、多方面で活躍する津久井友美さん。彼女が主宰する「美姿勢ボディメイクプログラム」は、40代、50代の女性から絶大な支持を集めています。

しかしその活動の核心は、単に美しい姿勢を手に入れるメソッドの提供に留まりません。それは、受講生一人ひとりが自信を取り戻し、「本当にやりたかったこと」へ一歩踏み出すための「表現の場」。30年ぶりに再会した友人からの一言をきっかけに始まったという、その温かなコミュニティに込められた信念と人生の軌跡を紐解きます。

目次

40代、50代の女性が輝きを取り戻す場所

インタビュアー

本日はお忙しい中、ありがとうございます。
早速ですが、津久井さんの現在の活動について教えていただけますか?

津久井さん

はい。40代、50代の女性に向けて、オンラインで美姿勢になるためのプログラムをお伝えしています。

2019年からこのオンラインプログラムを始めて、今では200名を超える卒業生がいらっしゃいます。

インタビュアー

200名以上とはすごいですね。
受講されているのは、具体的にどのような方々が多いのでしょうか?

津久井さん

40代、50代というと、子育てが一段落し、そろそろゴールが見えてきた世代です。一方で、ご自身の両親の介護が始まるかもしれないという狭間にいる方もいらっしゃいます。

お仕事でもやりがいを感じている、人生の中でとても忙しい時期ですよね。その中で、少しだけ自分を見つめ直す時間が生まれ始めた、そんな方々が多いです。

インタビュアー

なるほど。様々な役割の中で、ご自身の時間を取り戻し始めるタイミングなのですね。そのような方々が講座に参加されると、どのような変化が生まれるのでしょうか?

津久井さん

これまで仕事や子育てに追われ、ご自身のことを後回しにしてきた方がほとんどです。プログラムを通して自分の体と向き合い、姿勢を整えていくことで、自分自身を大切にする感覚を取り戻されていきます。

疲れにくくなり、気持ちが前向きになることで、「本当はやりたかったこと」に挑戦してみたり、諦めかけていたことに一歩踏み出したりする方がたくさんいらっしゃいます。

きっかけは30年ぶりの再会と、友人の「もったいない」の一言

インタビュアー

受講生の方々が、体だけでなく心も前向きに変化していくのですね。そもそも、津久井さんがこの講座を始めようと思われた原点はどこにあるのでしょうか?

津久井さん

大きなきっかけは、30年ぶりに高校の同級生に再会したことなんです。

それまでの私は、インストラクターとしての仕事に十分満足しているつもりでした。でも、私の活動内容を聞いた彼女に、「それでいいの?もっとできるんじゃない?」と言われたんです。

インタビュアー

満足していたところに、全く違う視点からの言葉をかけられたのですね。

津久井さん

はい。「自分は満足しているつもりだったけれど、人からはそう見えるんだ」と衝撃を受けました。それが、自分自身を深く見つめ直す最初のきっかけになりました。

その後、ビジネススクールに入って自分を深掘りしていく中で、「自分は何を、誰に伝えたいのか」を改めて考えたんです。

その結果、特定の年代、つまり自分と同年代の方々と一緒に歩んでいきたいんだという想いにたどり着きました。

インタビュアー

ご友人との再会がなければ、今の活動はなかったかもしれないのですね。
そのご友人に会う前のインストラクター時代は、どのような活動をされていたのですか?

津久井さん

もともとは小学校の教員だったのですが、体調を崩してしまって。大学までずっとダンスを続けていたのに、教員になって全く動かなくなったのが原因じゃないかと同僚に言われ、フィットネスクラブに連れて行ってもらったんです。そうしたら、驚くほど体調が良くなって。

「私は体を動かし続けなければいけない人間なんだ」と気づきました。そのクラブのオーナーに勧められ、エアロビクスのインストラクターになったのが始まりです。

インタビュアー

そこからキャリアがスタートしたのですね。

津久井さん

学ぶのが好きだったので、ピラティス、ヨガ、パーソナルトレーナーなど、気づけば16もの資格を取っていました。

必要とされると何でも引き受けるスタイルで、企業の新人研修で1000人規模のレッスンをしたり、循環器病棟で心臓疾患を持つ方に有酸素運動を指導したり、中学生のダンス部を見たりと、本当に様々な経験をしました。

スケジュール帳は常に埋まっているのが当たり前で、場所と時間の自由は全くない生活を25年ほど続けていましたね。

ITスキルゼロからの挑戦と、見失いかけた自分

インタビュアー

25年間のご経験があって、そこからオンラインの講座へ転身された。
リアルな現場とは全く違う世界だと思いますが、立ち上げ当初はどのようなご苦労がありましたか?

津久井さん

一番の壁は、ITスキルが全くなかったことです。

私は現場で体を動かして伝えることだけが得意な人間だったので、資料を作るという作業が本当に大変で。

パワーポイントを1枚作るのに30分以上かかり、これを60枚以上作るのかと思うと、気が遠くなるようでした。

インタビュアー

パソコンに慣れない中での資料作りは大変だったでしょうね。
コロナ禍のタイミングも重なったかと思いますが、影響はありましたか?

津久井さん

講座自体はコロナ禍の前から始めていたのですが、当時はまだ知人の方が中心で、私自身もリアルで会うことに慣れていました。なので、コロナで全く人に会えなくなった時、精神的に大きなダメージを受けてしまったんです。

新しい方を募集するような発信もできなくなり、何ができるだろうと考えて、ただひたすらFacebookで無料のレッスンを続けていました。

インタビュアー

ご自身が落ち込んでいる中で、それでも発信を続けられたのですね。

津久井さん

はい。何百人もの方が見てくださいましたが、そこから自分のプログラムに誘導することもできず…。

でも、これでは生活できないと思い直し、少しずつ手探りで知らない方にも入っていただける方法を探し始めました。

自分で広告を出してみたら、なぜかうまくいって人が集まったこともありましたが、何が良かったのか分析もできないので継続できない。心が落ち込んだり、少しうまくいったり、本当に上がっては下がりの繰り返しでした。

美姿勢は入り口。私の本当の喜びは「つなぎ役」になること

インタビュアー

様々なご苦労を乗り越えてこられたのですね。現在の活動で、一番のやりがいを感じるのはどのような瞬間ですか?

津久井さん

美姿勢になることは、あくまで体を変えるための入り口なんです。私が本当に嬉しいのは、そこから受講生の方々の心が変わっていくのを感じられることです。

実は、30年ぶりに会った友人に「もったいない」以外にもう一つ言われたことがあるんです。「あなたは昔から人と人をつなぐハブだったじゃない」と。

インタビュアー

ハブ、ですか。

津久井さん

自分では全く意識していなかったのですが、言われてみれば、今やっていることも、まさにそれだなって。

プログラム卒業後も残ってくださる方のコミュニティに、私が素敵だなと思う方をお呼びしてセミナーを開いたり、そうやって新たなつながりを生み出したりすること。

人生を豊かにするための「つなぎ役」になることが、私の喜びであり、得意なことなんだと気づかされました。

インタビュアー

なぜ、その「つなぎ役」であることに、それほど喜びを感じるのでしょうか?

津久井さん

それは、私自身の経験が大きいと思います。
子どもの頃に好きだったダンスを続けられなかったけれど、大人になって、子どもを産んでからバレエを再開できた。

何歳になっても、どんな形であれ、やりたかったことにもう一度チャレンジできるんだという喜びを、身をもって知っているからです。

だから、皆さんにも、何かを諦めてしまった経験があったとしても、もう一度それを見つけたり、新しい何かに一歩踏み出したりする「場」を提供したい。そのきっかけを作りたいんです。

小さな成功が人生を動かす。「自分の体を信じる」という感覚

インタビュアー

その「きっかけ」作りのために、美姿勢というメソッドがあるのですね。

津久井さん

その通りです。姿勢を整えることは、自分の体と心に向き合い、自分を大切にする第一歩です。

例えば、メソッドの最初のステップは体を「ほぐす」ことなのですが、これだけで8kg痩せた方もいます。でもそれは結果であって、本当に大切なのは、自分の体を労わる時間を持てたという事実なんです。

インタビュアー

なるほど。単なるエクササイズではなく、自分と向き合うための行為だと。

津久井さん

はい。3ヶ月間、一つひとつの動きを通して自分の体と向き合っていくと、体の軸が整い、今まで自分の思い通りにならなかった体が、少しずつ応えてくれるようになります。最初はできなかった動きが、ある日すっとできるようになる。

この「自分の体をコントロールできる」という感覚こそが、「私にもできるかもしれない」という、自分を信じる心の種になります。

インタビュアー

その、自分を信じられる感覚が、人生の新たな一歩につながっていくのですね。

津久井さん

まさにその通りです。自分の体に自信が持てるようになると、不思議と心にも変化が生まれ、「あの時諦めたけれど、もう一度やってみようかな」という気持ちが自然と湧き上がってくるんです。

皆さんが「昔、やりたかったこと」を思い出し、人生の主役の座をご自身に取り戻していく。そんな瞬間をたくさん見てきました。

インタビュアー

まさに、人生が動き出す瞬間ですね。これまで、どのような方がその一歩を踏み出してこられたのでしょうか?

津久井さん

専業主婦だった方が、ご自宅の敷地に小さなお店を建てて、ご自身が学んできたお料理や食品の販売を始められたり、職場で自分の意見が通せずにいた美容師さんが、息子さんの後押しもあって独立し、一人ひとりのお客様とじっくり向き合うサロンを開かれたり。本当に嬉しい変化がたくさんあります。

インタビュアー

それは素晴らしいですね。

津久井さん

私が目指しているのは、単に自立を促すことではないんです。ある方に言われて気づいたのですが、ここは「自分が本当にやりたかったこと、表現したかったことを見つけて、それを形にしていく場所」なんです。

皆さんがご自身の力で輝いていく、その最初のきっかけになれたら、それ以上の喜びはありません。

「今の自分が一番好き」。その一言が、私の目指す場所

インタビュアー

皆さんが輝いていく姿、そのものが津久井さんの喜びなのですね。その中でも特に、ご自身の活動の核心に触れたと感じるような、忘れられないエピソードはありますか?

津久井さん

はい、皆さんの変化は一つひとつが私の宝物です。
その中でも特に心に刻まれているのが、講座をサポートしてくれるようになったコーチの一言なんです。

あるミーティングで、彼女が自己紹介の最後に「今の自分が一番好きです」と言ってくれました。ここに来て、一番好きな自分になっていただけた。

その言葉が、私の目指すものが届いた証のように感じられて、本当に嬉しかったんです。

インタビュアー

素晴らしいお話をありがとうございます。最後に、この記事を読んでいる40代、50代の女性へメッセージをお願いします。

津久井さん

60代、70代で輝いている方を見て、「あの人は特別だから」「私にはなれない」と思わないでほしいです。

「今が一番若い」とよく言いますが、それは紛れもない事実。今始めなければ後悔するし、今やってみてたとえ失敗したとしても、それは一つの貴重な経験になります。もうここまで来たら、あれこれ考えずに「やってみちゃえばいいんだ」と。そんなふうに、軽やかに一歩を踏み出してほしいです。

そして、皆さんに問いかけたいです。
「今の自分は、一番好きですか?」と。誰もがそう思えるはずですから。

インタビュアー

「今の自分が一番好き」。まさに、津久井さんの活動の核となるメッセージですね。本日は、本当にありがとうございました。

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